手記投

テキトーな備忘録

コガネムシを自然に返した

Gと間違えて殺虫剤を吹きかけてしまい、一時は瀕死の状態に陥ったコガネムシが、虫籠にしているタッパー容器の中に立て掛けた割り箸を伝って、容器の縁まで登ってくるようになった。登ってくると縁の辺りに留まって、なんだか外に出たそうにしている。

コガネムシ


夜行性のためか夜になると相変わらずバナナにしがみつき夢中で食べている。フンもするので容器のなかに敷いた紙は毎日替え、バナナもその都度新鮮なものを与えた。右後ろ脚の痙攣もすっかりなくなり元気を取り戻した様子。

昨夜は、容器から出して手の上に乗せると蛍光灯に向かって飛んだりもした。もう普通に歩けるし飛べる。やはり自然に返してやろうと思った。

小さなケースにコガネムシを移し、近くの公園まで自転車を走らせた。その公園はGoogleマップで東京23区すべてが収まるくらいズームアウトさせても緑を確認できるほど木々が鬱蒼とした林になっている。人間にとっては自然だが昆虫からすれば大都会。コガネムシを放すにはうってつけの場所だ。もしかすると、この森から飛んで来たのかも知れない。

公園に着いて良い場所はないかと歩いていると、街路灯(街路ではないが)の明かりの周りを、コガネムシらしき虫がブーンと音を立てて数匹飛んでいた。室内で飛んだときの音にそっくりだったし、カナブンやカブトムシならもっと体が大きい。

ここしかないとコガネムシをケースから指先に乗せて頭上に掲げた。するとパッと羽を広げ仲間たちが旋回している街灯の明かりに向かって飛んで行った。同じようなサイズと羽音だったので、瞬時にどれがどれだか見分けがつかなくなった。

自然界には都合よくバナナは落ちていない。生き残れる昆虫の個体などわずかだろう。でも、狭い箱の中で人間に飼われて一生を終えるよりは幸せなはず。コガネムシも容器の縁に佇むことで、その意思表示をしたに違いない。殺虫剤を食らっても生き延びた強い個体なのだからきっと大丈夫だろう。

 

コガネムシ