適投

テキトーな備忘録

キャプテンスタッグ16インチ折りたたみ自転車のチェーンリングとスプロケットを交換

先日、Amazonで買ったキャプテンスタッグCAPTAIN STAG)の16インチ折りたたみ自転車(6段変速)ですが、パール金属製ということでパール君と名付けて乗っています。今では頼れる相棒です^^

これ、変速機付きはどうやらAmazon限定みたいです、今のところは。価格と車体重量でみた場合のコスパなら目下、最強クラスです。

軽いし安いし普段使いには丁度いい。でも、、いまいちスピードが出ない!

52Tの大径チェーンリングが標準装備されているとはいえ、そこは16インチ。おまけにスプロケットも14TがMAX。

たしかに、52Tのチェーンリングが付いているので16インチでもママチャリ並には走ってくれるのですが、ひとたび車道に出るとやはり速度不足を感じてしまう…。

ギアをトップに入れて漕いでも脚力にはまだまだ余裕があります。そこで、速度アップ計画です。

速度を上げる方法

まず、手軽に高速化するにはスプロケットを交換してギア比を上げる方法があります。ペダルを1回転させたときの駆動輪の回転数を上げてやります。

たとえば今、ペダルを1回漕いだときに後輪が1回転するとしたら、これを1.5回転とか2回転するようにしちゃおう、という考え方です(実際はそこまで極端には上げませんが)。そうすることで最高速のアップが図れます。

パール君の純正スプロケットトップギアの歯数は14Tが最小=最速なので、これを13Tや12Tに減らすとスピードが今より出るようになります。

スプロケットの場合は、歯数を減らす=速度アップです(逆にチェーンリングの場合は歯数を増やすと速度が上がる)。

ですが、この自転車のスプロケットはボスフリー式。以前はあったらしいけど、今はシマノから14T以上のボスフリーは出ていないとのこと…。

これが前の記事で書いた、この自転車のカスタマイズ性の低さの要因でもあります。高価でハイスペックな自転車は、スプロケットが大抵カセット式なので簡単に14T以上の物に交換できます。

ボスフリータイプだと14Tから高速化するには選択肢としてDNPという海外メーカーのスプロケットがあります。これは一番小さなギアが11Tです。

そこで、このDNPスプロケットについて調べてみると、Amazonで厚みが37ミリあるとのレビューを見つけました。

以下がその引用です。

ちなみに、7速ボスフリー本体の厚みは、エネシクロが36mm,DNPが37mm,シマノは公表していませんが、33~34mmぐらい。DNPでも問題なく付けることができそうです。

Amazon.co.jp:カスタマーレビュー: ENE CICLO(エネ シクロ) ボスフリー BOSS FREE SR-7S-28 7段 13-28T


パール君純正のシマノスプロケットの厚みは32ミリ。そして、スプロケットからフレームまでのクリアランスが5ミリ程あり、合計すると約37ミリです。

Amazonのレビューが事実ならギリギリです。37ミリ厚だとスプロケットまたはチェーンがフレームに干渉する恐れがあります。

こうした場合、フレームとハブの間にワッシャーを噛ませフレームのエンド幅を少し広げ、スプロケットとフレームのクリアランスを増やしてやるという手法がとられることがあるようです。

私は以前、町工場で働いていたことがります。「アルミ削り出し」という言葉をよく目にしますが、正にそういうことをしてました。アルミやら鉄やらステンレスやらで機械部品を造っていました。

なので金属の特性はある程度知っているつもりです。そうです、アルミニウムには鉄のような靭やかさはありません。軽くて柔らかく加工しやすいけれど撓らないのがアルミという材質。たとえ左右1ミリずつ、合計2ミリでも広がるかどうか…。また、アルミは鉄のように丈夫ではないので、たとえ広がったとしても強度的に少し心配です。

また、スポークのニップルを回してホイールのセンターをズラしてやる(ギア側のスポークを中央に寄せる)という手法もあるようですが、これは素人には面倒くさそう。ちなみに、後輪を真上から見るとわかりますが、この自転車は元々ホイールのセンターを寄せてあります。

パーツ選び

悩んだ挙げ句、上に貼ったレビューが付いていたENE CICLO(エネシクロ)というメーカーのスプロケット(7速, 13-25T)にしました。  

これだと最小で13Tになってしまいますが、そこは背に腹。特別高価な物でもないので、ここは思い切ってチェーンリングも一緒に交換すれば、体感できる程度の速度アップは図れるだろうと予想しました。

チェーンリングとはいっても、コチラもどこまで大きくできるか不明。この自転車はまだ発売されて間もないのでネット上にも参考になる情報が見当たりません。できれば58Tや60Tにしたいけど、取り付けられるか不安です。

そこで無難に56Tを選択。

AKI WORLDというのは自転車部品を輸入販売している国内の会社のようです。本当はシルバーが良かったけれど黒しかないので仕方ない。これは後ほど裏技を使ってシルバーにしちゃいます。

クランクとスプロケットを外す際に必要になるクランク抜きとボスフリー抜き工具は下の2つを使いました。

クランク抜きとボスフリー抜き工具

Amazon | SUPER B(スーパービー) コッタレスクランク 抜き 6610

Amazon | SUPER B(スーパービー) ボスフリー抜き 1045

どちらもスーパーBというメーカーの物で、全く問題なく使えました。Amazonのレビューを読む限りでは、値段の割にそこそこ品質の良いメーカーのようです。なお、この専用工具を使うには、これを回せるスパナ又はレンチが必要になります。

SUPER B 工具1

SUPER B 工具2

ノーマルのクランクはかなり強固に取り付けてあって結構な力が必要だったので、交換を検討している方はネジ山が舐めないよう注意したほうが良いと思います。

ギア比

下は改造前と改造後の最大ギア比率の比較です。

52÷14=3.714...
56÷13=4.307...

上がパール君のノーマルの状態で、52Tチェーンリングと14Tスプロケットでギア比率が約3.7です。つまり、クランクを1回転させると後輪が3.7回転します。

下が改造後で、56Tチェーンリングと13Tスプロケットを装着した場合のギア比率です。こちらはクランク1回転で後輪が4.3回転します。これなら辛うじて体感できる程度の差は出るかなと考えました。

取付け時の注意

ディレイラーの取り付けには一つだけ注意点があります。

下の写真からもわかるように、ディレイラーが傾かないように?固定するボルトが向かって右にありますが(赤い丸)、これを通常通りの手順で取り付けるとフレームの内側から、このネジが飛び出してスプロケットに当たってしまいます。

CAPTAIN STAG 高速化01

そこで、このボルトを挿す際に1ミリ程度の厚みがあるワッシャーを挟みます。そうすることで、その分だけフレームの内側から出っ張るボルトが沈み込み、スプロケットとの干渉が避けられます。

もちろん短いネジを使ったり、ネジ自体をヤスリで削ってしまってもOKでしょう。

下が、チェーンリングとスプロケットを交換した後です。

CAPTAIN STAG 高速化02

チェーンカバー(バッシュガード)とクランクは元々真っ黒でしたが、アルマイトを剥がして金属磨きのピカールで磨いてあります(やり方にコツがあったので別記事で書く予定)。やはり、自転車自体がクラシックな雰囲気なのでシルバーのほうが似合います。

CAPTAIN STAG 高速化03

CAPTAIN STAG 高速化04

56Tのチェーンリングでも、この程度の余裕があります。素人なので断言は出来ませんが、56→58Tでチェーンリングの直径は約10mmほど大きくなるので、58Tや60Tでも装着可能だったかも知れません。

そして、こちらがスプロケット

CAPTAIN STAG 高速化05

CAPTAIN STAG 高速化06

Amazonのレビューは事実だったようです。クリアランスが1ミリ程度しかないので、スプロケットがあと1ミリでも厚かったらフレームに干渉していたかもしれません。

チェーンは交換せずに済んだので元々付いていたものの流用です。チェーンリングは大きくなり、逆にスプロケットのローギアが28→25Tになったのでプラマイゼロか、ノーマルの状態より少しだけチェーンが張るようになっています。

なお、チェーンの張りが少し増したことで頻発していたチェーン脱落が全く起きなくなりました。バッシュガードで暴れるチェーンが抑えられるという理由もあるでしょうが、交換してからは1度もチェーンが落ちていません。

体感

装着した感想ですが、ちょうどギアが一つ増えたような感覚です。体感は十分あります。 車道でもケイデンスを上げれば結構走ってくれます。

ただし、スプロケットのローギアの歯数が28→25Tになったうえ、チェーンリングも大きくなったので上り坂は少しキツくなりました。やはりスプロケットのロー側は28T以上が正解のようです。

ぶっちゃけ当初はもっと高速化したかったのですが、乗っているうちに当面はこれで良いかなと思うようになりました。結局、重いギアで走ると疲れるし、格安16インチ自転車にしては頑張ってる方ではないでしょうか。また、スピード不足を感じるようになったら更なる高速化を検討しようかなと、今はそんなところです。